今、藻岩山がアツい
道民部アドベントカレンダー2013の、5日目のエントリーです。
すみませんもうすぐ6日目ですorz
札幌市の南西側には、藻岩(もいわ)山という山が広がっている。
路面電車からロープウェイに乗って札幌市を一望できる、定番の観光ポイントである。
30年近くを札幌で過ごした私には、藻岩山はお手頃なレジャースポットという位置づけだった。
父はよく、私たち家族を藻岩山へドライブに連れて行った。
藻岩山の有料道路を車で登る。
ロープウェイにはほとんど乗ったことがない。
車で頂上まで行って、展望台でグダグダとソフトクリームやラーメンを食べるのが、たいくつな日曜日のお決まりだったのだ。
そんな藻岩山が、2011年の暮れに全面リニューアルされる。
Twitterなどで見た限りでは、オープン直後の札幌市民の評判はあまりよろしくなかった。
有料道路が中腹までとなり、ロープウェイに乗らなければ頂上へ行けなくなった、というのが大きい。
「お金を出さないといい景色が見られない」「お高く止まった感じになった」という声もあった。
そんなこんなで、車も写真も興味がない自分が、お金を出してひとりで行ってもしょうがないという気持ちもあり、藻岩山はしばらくご無沙汰になっていた。
今年の夏、道外から来た友人の観光案内で、数年ぶりに藻岩山に登った。
衝撃だった。
ものすごく面白かったのだ。
高速かつ、まったく揺れない最新鋭のロープウェイ。
「もーりす号」という名前がまったく似合わない、メタグロスみたいなケーブルカーが、鉄骨のゲートを抜けるときのメカメカしい興奮。
おしゃれな頂上駅と、一気に広がる札幌の夜景。
「市民の憩いの場:藻岩山」は
「エンターテインメントの場:もいわ山」
にすっかり様変わりしていたのだった。
ダメ押しは、山を降りようとしたときにやってきた。
感動して、下りのロープウェイ乗り場に行こうとすると、こんなポスターが目に入るようになっているのだ。
「今、お持ちのチケットを差額で年間パスポートにできます!」
なんてこった。
商売がうますぎる。
こんなのは、私が知っている藻岩山じゃない。
頂上から降りるとき、小さな赤ちゃんを連れた家族が何組かいることに気付いた。
恋人もしくは新婚のときに藻岩山に登り、子どもができたらまた思い出の地を訪れる。
リニューアルから三年経った藻岩山には、しっかりとリピーターが付いていたのだった。
札幌の夜景がオレンジ色なのは、ナトリウム灯の街灯が多く使われているかららしい。
ロープウェイに乗るまで、そんなことも知らなかった。
故郷を離れ、「道民部 中部課 知多係」になって半月。
まだまだホームシックにはならないが、名港トリトンからコンビナートの夜景を見るたび、札幌のオレンジの夜景を思い出したりする。