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さまようたましいは、まごまごしている。

考えすぎなうぇびんさんが文句ばかり言っているブログ

よしなしごと - 20130102185500

ほっかいどう

地元の劇団「イレブン☆ナイン」の講演「サクラダファミリー」を観に行った。

演劇ユニット イレブン☆ナイン

サクラダファミリー

師走の日曜日、飲み仲間が劇に出ると聞いたのがきっかけで、応援がてらふらっと。
舞台劇は学生のときに観た、劇団四季の「キャッツ」以来。


冒頭の画像はPR用のポスターなのだが、あまり内容の参考にはならない。

演劇は「初期設定」を脚本家が流れでどんどん変えてしまうようで、当日の講演では家長・巌の「元やくざで命を狙われている」という設定は丸ごとなくなっているし、登場人物はポスターのイメージよりもずいぶん歳をとって登場する。

作品を見る前にあらすじをチェックする性格(取説読む派)のせいで少し焦ったが、実際に観ないとわからない、予想がつかない面白さというのが新鮮だった。


全編を通して描かれているのは、タイトル通り「家族」。

桜田家は「普通ではない家族」だ。
メチャクチャな性格の家長・巌の子どもは、7人全員が腹違い。今の奥さんは長男のハルオと同じくらいだし、家出した次男のナツオと末っ子のマツコは会ったこともない。

大晦日、巌は子どもらを実家に全員集合させる。
ナツオまで帰ってきて、大騒ぎの桜田家。

7人の子どもは法的に「家族」ではあるけれど、それぞれの事情や家族・恋人との関係があったりで、その結びつきは、とても危うい。
最初は愉快な思い出話に花が咲くのだが、だんだんぎくしゃくしていく。

そんな中、予想の斜め上を行く展開で「家族」そのものが危うくなってしまう。

普通の家族ってなんだろう。
桜田家の子どもたちが考える「桜田家」。
親たちのせいで妙に大人びてしまった、孫たちが考える「桜田家」。
お隣さん、配偶者、恋人たちから見た「桜田家」。

家族の奇妙さ、曖昧さ、呪わしさ、愛おしさ。
全編ギャグだろうと思っていたのに、不覚にも泣けてしまった。


桜田家は大晦日、そばではなくて、違うものを食べる。
その食べ物にまつわる思い出。

「家族」を強く結びつけるものは、「血縁」とかではなく、一緒に体験した「思い出」なのだろうと思う。
そもそも、巌とキヌエだって、出会う前は他人なのだし。


劇が終わると、入り口でさっき「桜田家」だった人たちが「劇団員」に戻って見送ってくれた。
映画にはない不思議な空間が、また楽しかった。


正月、例年通り実家に帰った。

母は新婚時代、料理が得意でなかった。

「2分って書いてあるラーメンを20分ゆでちゃったのね。もうダンゴになっちゃって」
と、母は何度も聞いた思い出話をする。

「まったく、あれはひどかった」
と、父はいつも通り、呆れたように笑う。