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さまようたましいは、まごまごしている。

考えすぎなうぇびんさんが文句ばかり言っているブログ

出瀬潔は変態と呼べるのか

ハイスクール!奇面組 1 (コミックジェイル)

ハイスクール!奇面組 1 (コミックジェイル)

先日、姉とドライブに行ったときに「潔くんって今の時代だったら、普通だよね」という話になった。
往年のギャグ漫画「ハイスクール!奇面組」の主要キャラ、出瀬潔のことである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/出瀬潔

この漫画では身体や興味において特殊な個性を持っている人間を、ポジティブな意味で「変態」と定義している(※1)。潔くんは「ジジ臭い」「スケベ」という個性があり、盆栽と美少女を愛し、女子のスカートを不意にめくることが日課である。
しかし、「ハイスクール!奇面組」自体が、性的な表現を極力抑え込んだ作風であるため、根が真面目な彼はかなり普通に見える。

連載当時は「オタク」という言葉すらなかった。美少女アニメとビデオで埋め尽くされた、宮崎勤の部屋が人々を震撼とさせたのは数年後の話である。30年後の今では、オタクが非難される時代もとうに超え、一億総オタク、アイドル萌えや美少女萌え、R18がTwitterに溢れかえる世の中となっている。

グラビアアイドルのポスターやエッチな本を集め、年下の妹の布団に潜り込もうとしてオカンにドロップキックを受ける潔くんは、平凡な21世紀の非モテ男である。
連載中、彼が人気投票でいつも下位だったのは、女性に人気がないからではなく、当時から見ても個性がなかったからではないかと思われる。

では、潔くんは「変態」ではないのだろうかと考えたが、否、彼はどう見ても変態である。

彼は女子のスカートをめくったりするわけだが「複数の気の強そうな女子がいて、バレて物を投げられる」ことがはっきりしているところでしか犯行に及ばない。一人きりのか弱い女子や、親友の唯ちゃんと千絵ちゃんには、手を出さないのである(※2)。

潔くんは「スケベな行為に及ぶ」ことだけではなく「バレて嫌われる」ところまでを一連の儀式として考えているふしがあるのだ。しょっちゅう女の子にラブレターを送って罵倒の返事が返ってくるようだが、それもため息をつきながらもちゃんと読む。
マゾか。マゾなのかお前は。

作中、彼は友人たちに「スケベ講座」なるものを開いており、その中で「スケベは卑猥になってはならない」と力説している。つまりエロとは違うらしい。
私にはようわからんが、性的衝動に基づかないスケベとは、めちゃくちゃ難しいものではないのか。メイドのストッキングフェチとか、アイドルの神聖視みたいなものか。

とにかく、潔くんという人物は(おそらく作者も内包している)フェティシズムマゾヒズムを、十代の若さで禁欲的な「道」として追求している人物なのである。
やっぱりTwitterに溢れる凡百のエロアカウントよりも、彼の方がよほど「変態」と呼べる気がする。

1969年生まれの彼は、実在していれば47歳である。
アイマスと同人とメイドカフェを極め、三代目を務める自宅の銭湯に地下アイドルを呼んでライブする、ヲタの神になっているんじゃないかな、と想像してみる。相変わらず非モテだろうけども。

※1 私は未読だが、小林よしのりは同様の意味で「異能」という定義をあてている
※2 アニメでは千絵ちゃんに手を出したことがあるが、設定間違いである。アニメでは原作の絶妙なキャラ設定を無視している描写がいくつかあり、LGBTである大くんの設定もかなり安っぽく表現されている。アニメのオリジナル化については「ミスター味っ子」のような成功例もあるのでなんとも言えないが、少なくとも私はアニメの後半は苦手である