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ディズニーランドでオズワルドを買うということ

10年ぶりにディズニーランドへ行った。
今回のおみやげは「しあわせウサギのオズワルド」にすると決めていた。

オズワルドを知ったのは20年くらい前のことだ。
私は90年代の白目ミッキーが嫌いだったので、黎明期の黒目ミッキー映画について調べていたら、彼に行き着いた。


彼を知っている人は多くなったが、ざっくり説明すると、ミッキーより前にウォルト・ディズニーが産み出したキャラクターである。

かなり人気があったが、ウォルトが権利争いに負けたため、オズワルドはユニバーサル社に渡ってしまった。
どん底から立ち上がったウォルトが、彼を越えるヒーロー、ミッキーマウスを世に出すのは、その翌年のことである。

その後のオズワルドは散々な作画崩壊を食らった挙句、ウッドペッカーに押され、アニメの歴史から消えてしまう。

80年後の2006年、ディズニー社はオズワルドの版権を取り戻すことに成功する。
そして、ディズニーストアの棚に、忘れられたはずの彼のグッズが並ぶようになった。


混沌としていた無声アニメ時代からやってきた彼は、公式にややダーティーなキャラ設定がなされている。
いたずら好きでナンパ者。陽気だが、自分に代わってヒーローになったミッキーには対抗心を燃やしているようだ。

Wiiのゲーム「エピックミッキー」では、オズワルドがミッキーに嫉妬をぶちまけるという、CERO大丈夫だったん…と心配になるような真っ黒いエピソードもある。

しあわせウサギのオズワルドとは (オズワルドザラッキーラビットとは) ニコニコ大百科 スマートフォン版!

今のディズニー社は、オズワルドを取り戻す必要はなかった。
人気キャラクターは他にもたくさんいるし、マニアックすぎる彼はグッズを作ってもたいして売れないだろう。ウォルトの遺言説もあるが、現CEOの目標だったらしい。

ぬいぐるみを手に取ると、それでもCEOが彼を取り戻した理由がなんとなくわかる気がする。

オズワルドは、ミッキーの片割れであり、影であり、ビジネスなど考えてもいなかったほど純粋な、若き日のウォルトそのものなのだ。


とまあ、いい話を書いてみたが、ディズニー社は著作権の不当な濫用やら、発展途上国での児童労働によるグッズ製作やら、裏ではろくなことをしていない。

オズワルドは、ディズニー社には珍しいオープンな扱いを受けており、すべての作品がYouTubeで公開されている。
オズワルド奪還をきっかけに、ちょっとは純粋なディズニー社になっていただきたいものだ。