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LGのWebOS2.0(笑)なスマートテレビでいろいろ遊んでみた

ここ一年くらい、ろくにテレビを観ていない。特にここ半年は、旧機のバックライトが暗いまま戻らなくなり、リモコンも壊れてしまったため、1分も観ていないのにNHK受信料を払うという、意味がわからない状態になっていた。

さすがに人としてどうかという気持ちになってきたので、思い切ってテレビを買うことにした。
当初はレグザで無難に済ませるつもりだったが、LGのスマートテレビに一目惚れ。

LGエレクトロニクス 43UF7710 [43V型地上・BS・CSデジタルハイビジョン4K対応 液晶テレビ]

「WebOS2.0」って何年前のトレンドだよ!と突っ込みたくなるが、UIとポインタ式のマジックリモコンの操作感が素晴らしい。

OSありきで選んだところ、40型+4Kという独り身の女には身に余る買い物になってしまった。
こうなったら使い倒すしかない。スマートテレビで何ができるのか、いろいろ試してみることにした。

テレビ

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テレビは三日で届いた。…でかい。半日かけて居間のユニットシェルフを組み直す。

最初に観た番組は「スーパープレゼンテーション」のカイラシュ・サティヤルティ氏の回。うわーうわー没入感すごい!サティヤルティ△!
自分がテレビをあまり観ないのは気が散りやすいからなので、このくらい視界が埋まるくらいがいいようだ。

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OS搭載+マジックリモコンのおかげで、初期設定はとても楽だった。ただし、マジックリモコンは文字入力には向かない。「WiFiのパスワードを入力中にポインタが外れた状態でクリックしてしまいキャンセル」というのを二回やってから、正規のリモコンに電池を入れた。

初期設定画面の各種アニメーションがとんでもなくかわいいのだが、設定を終えると二度と観ることができない。この「ネット接続に失敗」画面もものすごくレアである。ああかわいい。壁紙にしたい。

録画

翌日、外付けHDDが届く。自分の使い方なら2TBで充分だろう。友だちがAmazonでセール中なのを教えてくれたので安く購入できた。
いまどきのテレビなので、もちろんつなぐだけである。USB等のコネクタがすべて左側に集中しているので、部屋の角に置く予定の人は注意が必要と思う。

BUFFALO USB3.0 外付けハードディスク PC/家電対応 2TB HD-LC2.0U3/N [フラストレーションフリーパッケージ(FFP)]

番組表から選んで予約する操作は、他のテレビとの違いは特にない。
個別削除は簡単だが、観た番組と観ていない番組の区別がつかないのが悩ましい。他のテレビもこうなのだろうか。

追記:録画リストをよく見てみたら、サムネイルの左上に小さく「NEW」と書いてあった。わかりにくい。

番組をまとめて削除するUIも、あまり良くない。パソコンにつないで一括削除した方が早いかもしれない。

Mac接続

HDMIケーブルを買ってきて、MacBook Proをつないでみた。テレビのHDMI端子が固く、壊しそうな勢いで差し込まないと奥まで刺さらない。びびって差し切れておらず、30分ほど認識できなかった。
Macと比較するとかなり白がきれいに出ているのに対し、コントラストが弱いのがわかったので調整。

Maroon 5の「V」を再生。アダムの変な声は最高だ。サラウンドをオンにするとちょっとしたオーディオ機器並みの臨場感が出る。他の人の商品レビューによるといまいち音が軽いようだが、こだわりがないなら充分だと思う。

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40型の大画面でコーディングという野望もあったが、これは失敗。近視と乱視、この頃は老眼も出てきたのか、2m離れるとどんなに文字を大きくしてもコードがくっきり見えなかった。テレビのカラー設定もコーディングには合わない。

YouTube

LGのスマートテレビには、YouTubeTSUTAYA TV・NETFLIX・ひかりTVなどのストリーミングサービスが含まれている。「iPhoneの画面を表示できないApple TV」と考えてもいいかもしれないが、アプリの数はApple TVには大きく劣る。

追記:LG Content Storeでいろいろなアプリを追加することができる。

YouTubeにログインして、90年代初期の動画投稿番組「えびぞり巨匠天国」の傑作ストップモーションアニメ「PULSAR」を久しぶりに観る。監督の保田克史はその後、プチプチアニメ「ロボットパルタ」を手がけることになる。
さすがに大画面で観ると映像は最悪。古い動画はスマホで観た方が良さそうだ。

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PULSAR (1990) - YouTube

続いて「ピッチ・パーフェクト」の挿入歌、「Cups (When I'm Gone)」のPVを観る。これだけ新しい映像だと、画質・音質とも充分。いずれ4K動画も増えてくるかもしれない。

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マジックリモコンの音声認識を使うとかなり快適。ブラウザかYouTubeのコンテンツを呼び出すことができる。

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それに対し、視聴以外の操作(いいね!やリスト投入)はそれほどでもない。TSUTAYA TVもざっと見てみたが、こちらには数字キーのショートカットがあるため、マジックリモコンより旧来のリモコンの方が使いやすかった。

DVD

万能に見えるスマートテレビだが、DVDプレイヤーはない。
ドライブ→MacBook Pro→テレビと接続するとDVDが観られることがわかったので、「セロ弾きのゴーシュ」を観る。

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宮沢賢治の世界感を再現した、高畑勲の1981年の名作である。たぬきの子とねずみの子がくっそかわいい。

MacBookを通して見るよりも没入感が大きいが、操作はMac側からでないとできないので特典映像を見るのが煩わしい。やはり中古でいいからプレイヤーを買った方がいいかもしれない。

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ブラウザ

最後にブラウザを試した。WebOS2.0はChromeを採用している。はっきり言ってテレビには必要ないと思うが。

UAを表示してみたところ、Chromeのバージョンは「34.0」だった。現時点の最新は「46.0」なので発売時点のバージョンと思われる。バージョンアップはできるのだろうか。やる人がいるかどうかわからないが、「SmartTV」で判別させるとスマートテレビのみの処理をすることができる。

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Chrome搭載+4KだけあってCSS3の不具合などは見られないが、初期設定の拡大率だと画面が小さすぎる。150〜200%でちょうどいい。
広告の読み込み前にスクロールすると固まるので、閲覧は正直快適ではなかった。無理して利用するものではない。

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まとめ

結論としては、LGのスマートテレビはかなり楽しい。今後発売されるApple TVの内容にもよるだろうが、使っているスマホAndroidなら連携も可能なので、こっちを買うことを強く勧める。マジックリモコンもリボンメニューのUIも快適で、画面切り替えの際も、もたつきはまったくない。

ただ、マジックリモコンにも欠点は多い。手を細かく振ってポインタを動かすので、YouTubeなどで操作が多いときには手首が痛くなる。腱鞘炎に悩んでいる人や、お年寄りは利用しない方が良い。できるだけ十字キーか音声入力にする癖をつけた方が良さそうだ。


90年代前半、「企業戦士YAMAZAKI」という漫画があった。派遣社員山崎拓郎が、さまざまな新商品を提案して危機に瀕した企業を救うという設定である。
体調をチェックできる時計、紙製缶コーヒー、冷凍野菜ペーストなど、実際に商品化されているものも多い。
「一週間分の番組を自動録画するテレビ」も登場しており、連載時はHDDを小さくすることに苦戦していたが、現在は3チャンネルくらいまでなら実現できる。

ここ15年ほど「録画」をほとんどしていなかった。必要性を感じなかったからだが、HDDをつないでからいきなりテレビ生活が充実した。
毎晩、ごはんをもぐもぐしながら「0655」「2355」をまとめて観る。気になっていた番組をチェックする。放映時間に生活を無理に合わせなくても、好きな番組が好きなときに観られる。楽しい。

「いつでも見たい番組を選べることで、テレビは再び魔法の箱になる」という山崎のセリフを思い出す。