お前たちはマクドナルドに何を求めているのか。
日曜日の夕方、特に意味もなくマクドナルドへ行く。
環状線と名四国道が交差するこの店は、入店もドライブスルーも途切れず、戦場のような忙しさである。
10分ほど待ったが、揚げたてのポテトが食べられたのはラッキーだった。
私はなぜマックへ行くのだろう。
マックは体に悪い。コスパを考えたらモスバーガーの方がずっといいばすだ。しかし今日も私はマックフライポテトをもぐもぐしながらスマホをぽちぽちしている。
ここ数年、マクドナルドは叩かれっぱなしである。
一ヶ月置いてもカビないポテトやら、到底食べ物に見えないナゲットの製造風景やら、異物混入やら。
Facebookで「ママたちがマクドナルドのお店をチェック!実際に作る様子を見てみました!」という動画が流れてきたが
「お金を触った素手で調理とか終わってる」
「牛を殺すところから公開しないと信用できない」
「私の友だちがお金もらって参加してた」
などなど、散々な言われようである。
お前たちはマクドナルドに何を求めているのか。
子どもたちに健康な食生活を維持させたいお母さんとか、
将来障がいをもつ子どもが生まれる可能性を完全にゼロにするべく目をキラキラさせて生きる夫婦が来るところではないのだ。
マクドナルドとは、紙細工のようなしょっぱいハンバーガーと、細くてカリカリですぐシナシナになるポテトと、原価数円のコーラを死んだ魚のような目をして食べる頽廃的な行為を楽しむ店である。
言うなれば、風俗店と一緒なのである。
つまり、マクドナルドは「楽しい家族の憩いの場」「子どもたちのための店」という方向なのに不健康なことをしているから、その矛盾を叩かれているのであって、叩かれるのをやめるには、カラオケボックスや漫画喫茶のような、頽廃的な方向へ行くしかないのだ。
十年後の経営を考えると、頽廃的な方向は難しい。
ビックマックセットを毎日がっつくようなデブチンが、結婚して家庭を築く確率は低い。健全で普通の家族に子どもが小さい段階で来てもらい、味の好みが確定する10歳前後にマック大好きになってもらい、次世代に繋ぐのがマクドナルドの長年の戦略なのだから。
ロッテリアが10段タワーバーガーとか、頽廃的な戦略を打ち出せているのは、ロッテリアがロッテの主業務ではないからだろう。
最近、マックには一人の中年男性や、マイルドヤンキーな家族をよく見かけるようになった。
「意識低い系」「将来の心配をしなくていい系」をターゲットにするのが、これからのマクドナルドの道なのだろう。悲しいことだが。
記事を書いていたらポテトがシナシナになった。ああしょっぱい。