さまようたましいは、まごまごしている。

考えすぎなうぇびんさんが文句ばかり言っているブログ

よしなしごと - 20141116144259

映画「365日のシンプルライフ」が良かった。

ペトリ、26歳。フィンランド在住、彼女なし。
モノが溢れる生活にうんざりした彼は、自分の持ち物すべてを倉庫に預ける。
一年間何も買わず、一日ひとつしか取りに行かないという実験をはじめたのだ。

究極の断捨離。365個のモノとのサバイバル。
初日は真冬のヘルシンキで、すっぽんぽんである。

モノを持たないというのは、ダイエットに似ている。
彼は物欲がなくなって何日もモノを取りに行かなくなったり、逆にモノが恋しくてたまらなくなったりする。

モノがなくても、ペトリには、すてきな宝物がたくさんある。
いつも相談に乗ってくれる、質素でやさしいおばあちゃん。
何もない部屋を見て、きれいになったわねと笑い飛ばすお母さん。
裸同然の彼に、食糧を調達してくれる(イケメンの)弟。
電話もメールも通じない彼に呆れつつ、何かと手伝ってくれる友人。
全員、本物だそうだ。

生活に必要なモノがだいたいそろったとき、彼はつぶやく。
「これ以上、何が必要だ?」

一年は長い。ペトリの身にはいろいろな「想定外のできごと」が起こる。楽しい事も、そうでないことも。
そのたびに、彼は「持ち物リスト」と自分に向き合って、取り出すモノを決めていく。

映画の原題は「TAVARATAIVAS」。
フィンランド語で、TAVARAは「物」、TAIVASは「空」らしい。

作品中、何度か美しいフィンランドの空が描かれる。
365日目が終わったとき、青空を見たような、爽やかな気持ちになった。

帰りに500円のパンフレットを買った。
パンフレットには映画の裏話や、ペトリが選んだ、365個のモノのリストが書かれている。

これもまた、どうでもいいモノだ。
でも、これでいいのだ。私が買うと決めたのだ。