札幌最強のラーメン屋は美園の「彩未」だと思っている
ラーメンアドベントカレンダー2013の、11日目の記事です。
11月のある日、札幌にて。
「麺屋 彩未」の味噌ラーメンを食べに行った。
札幌にはラーメンの名店がたくさんあって、「推し店」は道民それぞれなのだが、私は、最強のラーメン屋は彩未だと思っている。
彩未には十数年前に開店してからよく通っているが、人が店の外に並んでいなかったことがない。
地下鉄東豊線の美園駅は、彩未に行くときくらいしか利用しない。
月二回の「不定期休業」に当たったときは、自分の不運を呪ったものだ。
上の写真に写っているので、待ち客がすべてだと思ってはいけない。
さらに、店内に二十人ばかり座っている。
ちなみに、この日は平日の昼間で、外気温は7度だったりする。
「利き脳別片付け術」を読みながら待つ。
私は右左脳タイプらしい。
二十分ほどで店内待ちの列に突入。
十数年間、ずっと人気店の座を維持し続けているために、客さばきはおそろしく合理的だ。
ひたすら注文を聞き、
客を人数に併せて案内し、
客が食べる席についたと同時に麺をゆで、
数分後には出す。
なんだか大きな装置の一部に仕込まれた歯車になったような気さえしてくる。
45分後、待ちに待った味噌ラーメンが目の前に。
盛り付けも、毎回きっちり完璧。
東京の影響か、背脂たっぷり、超こってりの味噌が増える中、ここはひたすらに王道だ。
札幌の人間がイメージする「札幌の味噌ラーメン」はこんな感じだと思っておけば間違いない。
カニやバターコーンはもちろん入っていない。
歯車な気分から解放される瞬間だ。
一気にラーメンをすする。
札幌にしては固めの麺に、サラッとした甘めのスープがよく合う。
炒めたてのもやしがシャキシャキ、
香ばしいチャーシューは輪切りの他に、角切りもこっそりスープに仕込まれている。
どっかり盛られたおろし生姜が、途中のアクセント。
一気にスープも完食、ごちそうさまでした。
ほんとうにおいしいラーメンは、自然に手を合わせてしまう。
満足して店を後にした。
人気店に並んで食べるというのは、ものすごくぜいたくな行為だ。
道外で暮らすようになった今、札幌ラーメンを食べるのに、もうこんなに時間をかけることはできなくなる。
次に彩未を訪れるのは、いつになることか。
札幌を訪れたときはぜひ、彩未のために時間を空けてみてください。
都心からのアクセスはいい方なので。
最強という言葉がふさわしいラーメンです。